去年
そういえば、そろそろ金木犀の季節になりますね。私はあのほのかに甘い匂いが堪らなく好きです。
でも去年、その匂いが分からなくなりました。
原因はコロナ。皆様もコロナにかかると味覚や嗅覚が分からなくなるという報道を目にしたことがあると思いますが、まさにその症状になりました。
何も感じない
コロナに罹ったときは39度の熱がでて、食べ物の味も周囲の匂いも分からなくなりました。
1週間もかからず体調は元に戻ったのですが、味覚も嗅覚は元に戻らず。
丁度その頃、大好きだった近所の金木犀が花を咲かせたのですが、まったく嗅ぐことができず、すごく虚しい気持ちになりました。
「このまま永遠に大好きな金木犀の匂いを嗅ぐことができないのかな」と。
親せきの叔母さんが私のために食事を振舞ってくれたこともあったのですが、全く味が分からず。
作ってくれたことに感謝はできますが、「美味しい?」と聞かれても素直に美味しいということもできず。こんなに虚しいことってあるのかしら(;;)
新型コロナ後遺症外来
1週間、2週間たっても相変わらず味覚も嗅覚も分からない状態が続いていたため、新型コロナ後遺症外来 の病院に行きました。
先生からは、「コロナ後遺症ですね。薬を処方するので様子見」とのこと。
薬は飲み続けていましたが、1か月経っても変わらず。2か月経ったころにようやく味が少し分かるようになってきました。
お味噌汁を飲んだ時に、全然味がしなかったのに、ちょっとだけしょっぱいと感じたことを今でも覚えています。
今まで当たり前に感じていた味覚がこんなにも貴重な感覚だったなんて。
でも味覚が戻っても、嗅覚が戻らないと味はちゃんと感じられないのですよね。
よく苦い薬を飲むときに鼻をつまんで飲むと苦味があまり分からないのと同じように、通常時の20%くらいの味しか分からない状態になります。
匂い無き世界
匂いがないというのは、とても不思議なもので、部屋の中にいても屋外にいても、違いが分からない。
部屋の中にいるとなんか空気が淀んでいるな~とか、屋外にいると新鮮な空気だな~って感じますが、それが感じ取れなくなります。
お布団を干した日の夜、寝る時にお日様のニオイというがありますが、それも分からない。
雨の日のあの独特のニオイも分からない。
生きているのに、生きている実感がないような、そんな不思議な世界です。
半年後
それから4か月、つまりコロナに罹ってから半年後、ようやく匂いのほうも分かるようになってきました。
それまでの無臭の世界から、いつもの世界が戻ってきた。そんな感じがしました。
でも、半年も分からない状態が続いていると、逆にいつもの世界のほうが不思議な世界に感じるのです。
舐めてはいけない
あれだけ騒がれた新型コロナは、もう昔の話になりつつありますが、今でも後遺症に悩んでいる方がいます。
私は先生から「半年以上治らなかったら完治は無理かもしれない」と言われていたので、本当にぎりぎりのところで治ったようです。
本当に病気というのは怖いものです。当たり前のことが当たり前ではなくなってしまいます。味も匂いも分からない世界が一生続くと考えると、とても怖いですよね。
ですので皆様も、予防のために、手洗い、うがいを必ずしましょう。マスクもできるだけしましょう。そして出来るだけ体力をつけて、ストレスを溜めず、よく寝るようにしましょう。
もしコロナ後遺症の疑いが少しでもあれば、新型コロナ後遺症外来の病院に行きましょう。厚生労働省のホームページに各都道府県の新型コロナ後遺症外来の病院の一覧がありますので、こちらに掲載しておきます。
今年、近所の金木犀の花が咲けば、2年ぶりに匂いを堪能したいと思います(^^)
でわでわ~ヾ(^∇^)