Cord Blood

母親と子は臍の緒を通じて一つの生であった。それだけ強い繋がりがあったはずなのに。

永遠の0と今の日本人

永遠の0を読み終えた。
数ヶ月前に映画は見ていたのだが、
ちゃんと作者の書いた文章を読んでから評価したかった。

読んで感じた事は、今の日本人には靖国神社に行けとか行くなとか、
そういう資格そのものが無いと思った。
今の日本人は、日々どうやってモテようかと躍起になっていたり、
コンビニで大量の食品を前に逡巡していたり、
ツイッターフェイスブック、ラインで
仲間内の状況を常に監視し合い、
自分の存在を認められようと頑張っているような世の中では、
愛する者の為に命を掛けた人達の気持ちは分かるまい。

死を真剣に考えた事すら無い人が、
毎日死を覚悟し死んで行った人を評価する事自体おこがましい。
もう現在の日本人と特攻隊の人たちが同じ日本人とは思えない。

今や特攻隊とは、靖国神社でしか繋がることが出来ない。
だが今の日本人に、靖国神社を参拝することに賛成や反対、
ということを言って欲しくない。
言う前に彼らと同じくらい死を考えてから言って欲しい。
死を考えれば、賛成や反対を述べることが如何に愚かな
ことかがよく分かる。

会社の中ですら自分の意見を押し殺している人達が、
国家の命令で死んで行った人達を笑う事が出来るのか?
会社の命令を背いて解雇される事に怯えている人達が、
国家の命令を背けば殺される人達の事をテロリストと呼べるのか?

今の人達は彼らの時代よりも優れていて進んでいて幸せだと思っている。
だが明らかに人間としての質は低いし、心は荒んでいるし、
何よりも幸福感について麻痺していると言わざるを得ない。

そんな今の日本を彼らが見たらどう思うのだろうか。
自分たちが命を掛けて良かったとどれくらいの特攻隊員が思うのだろうか。
こんな日本になる位なら、それこそ、
日本人全員滅びるまで戦えば良かったと思うのではないだろうか。

A級戦犯が一緒に祀られていることが、
特攻で死んでいった人たちに何の関係があるのか。
特攻隊の死を、周辺国を配慮と天秤にかけられるのか。
周辺国との摩擦が増えたとしても、
特攻隊の人たちのために覚悟を決めるのが国の責任だろう。
それが特攻を命じた国の責任だろう。
それを理解するのが今の日本人の義務だろう。

未だに特攻隊の人たちは、
国からの命令に翻弄され続けているように見える。
そろそろ特攻隊の人たちを真剣に考えてはくれないのか。